先週の日曜日は父の日でしたね。
父の日に何かしたおぼえがありません。ウイスキーをプレゼントしたことがあるかなー。
家族に対しては難しい顔をしていました。
よその人にはニコニコとして、いろいろなことについての話題が豊富で博識でした。
思い出すことは、お玄関の格子のガラス戸を丁寧に、雑巾や刷毛で洗っていたこと。
庭掃除、紫蘭(シラン)や玉すだれの株分けをしていた後姿。
『かがみこみて 株分けをする 父の背を 思い出しおり 玉すだれの花』
葬儀の時使った写真を見て「おじちゃんに似てるね!」と言われて、えーっつと思ったのですがうれしかったこと。
出来上がったおかずを小鉢によそって自分の部屋に持って行き、机に向かって本を読みながら水割りを1,2杯。
子どもはだーれも褒めなかったのに、夫が「いい酒飲みだなー」と言ってくれました。
ある時酔っていた父が、私の仲良しに「ひどいこと」を言いました。
どのくらいの間だったでしょうか、父に心を閉ざしてしまっていた時、兄が「親父が謝ればいいか?」と聞いてきま
した。
父に謝ってもらいたい、と考えていたわけではなかったのですが、腹も立っていたし、仲良しに申しわけないし、
悲しかったのです。
その兄の一言で、いさかいや、トラブルや、喧嘩がその相手と決着するのではなく、自分自身の問題として1人で
考えて考えて考えあぐねて、胸の思いを何とか落ちつかせることができました。
忘れられない、私の人生の出来事です。
お父さん、私もまだまだ、一生懸命生きていますよ。
父の日に寄せて 朱鷺色