その人とお別れしてから7年になりました。
哀しいけれど、もうあまり涙は出ません。
辛いけれど、あんなに息苦しかった呼吸ができるようになりました。
「おいしい」と感じるたびに罪悪感を覚えていた死別当時
今では「おいしい物、その人の好きだった物をいっぱい食べよう」と、自然と考えられます。
少しずつ元気になって笑えるようなった頃、そんな薄情な自分が大嫌いでした。
でも今では、「笑ってもいいんだ」と思えるようになりました。
あと20日生きれば誕生日だったんです。
死別から数年間は、命日の20日後の誕生日が来るたびに辛くて悔しくて
「生きていたら、○歳」「生きていたら、○歳・・・」と
「もし生きていたら、の年齢」が、常に私の頭の隅にありました。
でも今では、一度計算をしなければ「生きていたら、の歳」がわかりません。
7年前、誕生日の20日前に亡くなった当時の歳で、大切な人の成長は止まったんです。
それを受け入れられるようになりました。
大切な人が好きだった推理小説を読もう。
あの人が大好きだった、ハラハラするような映画を観て
きれいな音楽を聴いて
楽しい会話においしい料理。
私の五感を通じて、空の上に届けばいいな。
この7年間、私だって結構頑張ってきたと思うのです。
大切な人を忘れた訳ではないけれど
「涙が出なくなった自分」に対しても、罪悪感を持たず胸を張って生きたいです。
(オレンジ)