2011年記念講演「食べること 生きること」

生と死を考える会では、今週の土曜日(5月14日)に五島朋幸氏をお迎えし、記念講演「食べること 生きること」を開催します。

五島先生がおっしゃるように、長寿社会である我が国においては、「食べること」と「生きること」は直結するテーマではないでしょうか。

 

日時 :5月14日(土) 14:30~16:00(受付14:00)

場所 :上智大学(旧聖母大学) 目白聖母キャンパス 2Fセミナー室

 

申し込み:NPO法人 生と死を考える会までお申し込みください。

 

まだ、参加申し込みをしていますので、興味のある方は是非、ご参加頂けたら幸いです。

 

詳細は↓をご覧ください。 

http://www.seitosi.org/lecture/inochi.php

 

五島先生からのメッセージです。

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 現代日本の一つの大きなトピックは、「長寿社会」になったことです。これは、十分な栄養状態が保てる平和な社会がきたというだけでなく、医学の飛躍的な進歩が貢献していることは疑いようもありません。しかし、誰もが願う不老長寿に近づいてた「長寿社会」であるにもかかわらず、なぜか社会に歓迎ムードがありません。むしろ、急速な高齢化は社会問題として捉えられるようになりました。それならば、いったい医学の進歩とは何だったのでしょうか。

人間の口の機能はいくつかあります。食べること、話すこと、息をすること。いずれも人間が人間らしく生きるために必要不可欠な機能です。中でも、口から食べることの効果は計り知れないものがあります。一口のゼリー嚥下から意識が清明になり、長い長いベット上だけの生活から車椅子に移乗できるまでになった方がいます。口から食べることで家族に笑顔が戻った例もあります。口から食べることは人間として生きる本質なのかもしれません。


現代の技術は、口から食べられなくなったときの代替栄養手段を獲得しました。しかし、「口から食べる」ことの代替手段はいまだにないし、今後とも現れないでしょう。だとすれば、人間らしく生きるために医療は、社会はもっと「口から食べる」ことにこだわるべきではないでしょうか。食べることを大切にするケアこそが日本の高齢社会に明るい光を照らすかもしれません。

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(緑)