樹木葬

弟は岩手県一ノ関の樹木葬墓地に葬られており、先日法事に行ってきました。

1999年にここで始められた樹木葬は、樹木や草本類が大地、空気、水、日照によって生かされた
れてきたことに気づき、里山の保全を主旨としています。
 
里山の樹木葬墓地には大木はないので、悠久の時間を感じさせる道具立てはない代わりに、
季節の循環を感じさせ、(春には春蘭、カタクリ、しょうじようばかま)と移りゆく時間を意識させ、
この墓地は死後のためだけでなく、生きる意味を感じさせる役割も果たしているようです。
 
弟が葬られたところから30センチも離れていないところに、母が大好きであった春蘭が咲いていました。
弟と母がまるで近くにいるようでうれしかったです。

他にもカタクリ、みずばしょう、などが咲いていました。
珍しい白いしょうじょうばかまです。

久しぶりに会った甥や姪を通して、きょうだいの面影を探していました。
兄や弟と似ている仕草や物言いに、なつかしさで胸がいっぱいになりました。
 
法事は何ごとにも優先して、断ってはいけない、と言われていることの意味がよくわかったように思います。
 
久しぶりの親族との集いは、亡き弟の計らいとうれしかったです。
 
                            朱鷺色