花の思い出

 

実家の庭にある梅の木の蕾が、春を待ちかねたかのように膨らみ始め、可憐なピンクの花を咲かせてくれています。

 

花が大好きだった亡き人は、私が枯らしてしまった花でも、丹精込めて手入れをし、翌年には綺麗に花を咲かせて、私をビックリさせた事がありました。

 

私は、もう無理かなって思うとすぐに諦めてしまうので、どんな花でも命があり、愛情をかければ必ず応えてくれる、と口を酸っぱくして教えてくれたものでした。

 

そんな亡き人が大切にしていた庭は、今では時が止まったまま…。

 

植木だけは手入れをお願いしてきたけれど、亡き人が大事にしていた花までは、気がまわらず…。

 

今さらながら、真似が出来ればいいのになぁ、っとため息を一つ。

 

今だから聞きたいこと、話したいことが山ほどあります。

 

とても同じようには出来ないけれど、せめて亡き人が大切にしていた「思い」だけは、大事に大事に受け継いでいきたいなぁ。

 

(赤)