盆提灯

7月になりました。 東京はお盆です。

時期としては7月13日からですが、

7月に入ると、盆提灯を飾らなくては、と気が急きます。

年に一度、亡くなった人が帰ってくるのですから、

早く準備しなくちゃ、と思ってしまうのです。

 

特にうちの息子はまだ小さいものですから(生きていたら9歳です)迷子にならないように、

 うちはここだよ、早く帰っておいで、

 13日まで待たなくていいよ、

と、窓辺に提灯を飾ります。

 

息子が亡くなったのは7月末でしたので、新盆は約1年後でした。

夢遊病者のように、仏壇屋街を隅から隅まで1軒づつ見て回りました。

息子にいい提灯を買ってあげなくては…

あの子にはどんなのがいいのだろうか?

   

なぜ、おもちゃや洋服ではなくて、こんなものを求めて歩き回っているのだろう

 

享年2歳のあの子にあう盆提灯なんて見つけられなくて…

 

どうにか一つ買い求めました。

 

何か足りない気がして、数日後、またあの通りを歩き廻り

青い光が灯る回転灯籠を買いました。

 

満足したわけではないけれど、

それでも何かをあの子に買ってやれる

その思いだけで どうにか買うことができました。

 

新盆用の白い提灯はあまりに悲しくて買う気になれず、

ネット注文…

 

あれから7年

じいじに連れられなくても

息子はそろそろ一人で帰ってこれるでしょうか?

 

空色